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ていれとつくろい、終了しました。
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#6 商店街は「面倒くさい」?


大阪の吹田に住んでいた頃、家から歩いて10分くらいのところに豊津ファミリーという1階と地下に商店が入っていて2階以上がマンションになっている建物があった。地下は肉屋、八百屋など食材を売るお店が、1階には本屋や時計屋、クリーニング屋などが入っていた。商店街がそのまま建物に入ったような感じだった。

その豊津ファミリーで地下の食料品売り場の改修工事が行われた。正確にはいつだったか覚えていないけれど15年ほど前で私は小学生だったと思う。そのときに地下のお店はなくなってスーパーになった。何故たくさんあったお店をひとつにしてしまうのか分からなくて、その理由を母に尋ねた。いっぱいお店があると何回もお金を払うのは面倒くさい。何か買い忘れたとき同じお店に戻ってもう一度精算しないといけないのが嫌。とにかくばらばらだと時間がかかってしまっていけない。そういうことを言われた。

頻繁に行ったわけでではないけれど、祖母に連れられながらいろいろなお店を回ったのを思い出し、そうだな確かに時間はかかるな。そして時間がない人が困るんだろうなと思った。その時は時間がないなんてことに実感がなかったし、時間をかけずに買い物ができる便利さに対して少し違和感を持ったが、その違和感は次第に消えて行った。そうやって時間がかからないで買い物ができることを便利でいいことだと思ってしまっていた。

多くの人が食品の買い物に時間のかけれない生活を送りはじめたというのは悲しいなと今は思う。単に忙しくなってしまったということだけではなく、食品の買い物という行為の価値そのものがどんどん低くなっていったのかも知れない。バイトをするのには時間をかけれる、ゲームをするのには時間がかけれる、でも食品を買うのには時間がかけれないんだ。そういう価値観が自分に埋め込まれていったことは悔しいことだと思った。
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